これからはネットの時代?なぜインターネット広告費は増え続けているのか
YouTubeやニコニコ動画などの動画サイトやツイッターやインスタグラムSNSで見られるインターネット広告費は年々増え続けており、いまや地上波テレビ広告費を上回る勢いにまで成長しています。
なぜこれほどまでにインターネットの広告費が増え続けているのでしょうか?
【1】テレビ視聴者数の減少
昔は人々が情報を得る主要な媒体といえばテレビ一択でした。
しかしながら近年YouTubeやツイッターなどに代表されるSNSなどの情報媒体が増え、スマホやパソコンを持っていればどこからでも情報を得る事ができるようになりました。
娯楽も同様に多様化していき学校や職場で皆が口をそろえて昨日のお笑い番組やドラマ番組について話す時代は終わり、流行りのYouTuberやインスタグラム、ツイッターで得た情報を交換する事も増えてきました。
つまりテレビがなくても困らない時代になりつつあります。
すでに10代や20代では2013年頃から1日におけるテレビ視聴時間をネット利用時間が逆転し、年々その差は広がっています。
単純に「テレビからネット」の構図により広告費もユーザーを数多く抱えるプラットフォームへ移りつつあります。
急速に増え続けるネット広告費。2019年にテレビ広告費を抜く予定。
インターネット広告費 | 地上波テレビ広告費 | |
---|---|---|
2015年 | 1兆1594億円 | 1兆8088億円 |
2016年 | 1兆3100億円 | 1兆8374億円 |
2017年 | 1兆5094億円 | 1兆8178億円 |
2018年 | 1兆7589億円 | 1兆7848億円 |
ネット利用時間も若者を中心に増加傾向にあります。
【平日1日の平均時間】
10代 | テレビ(リアルタイム)視聴 | ネット利用 |
---|---|---|
2013年 | 102.5分 | 99.1分 |
2014年 | 91.8分 | 109.3分 |
2015年 | 95.8分 | 112.2分 |
2016年 | 89.0分 | 130.2分 |
2017年 | 73.3分 | 128.8分 |
20代 | テレビ(リアルタイム)視聴 | ネット利用 |
---|---|---|
2013年 | 127.2分 | 136.7分 |
2014年 | 118.9分 | 151.3分 |
2015年 | 128.0分 | 146.9分 |
2016年 | 112.8分 | 155.9分 |
2017年 | 91.8分 | 161.4分 |
30代 | テレビ(リアルタイム)視聴 | ネット利用 |
---|---|---|
2013年 | 157.6分 | 87.8分 |
2014年 | 151.6分 | 87.6分 |
2015年 | 142.4分 | 105.3分 |
2016年 | 147.5分 | 115.3分 |
2017年 | 121.6分 | 120.4分 |
【2】進化するネット(YouTube)広告
インターネットを利用する方は年々増えていますがユーザーの年齢、性別、地域によって興味関心事は様々です。
広告を出稿する企業側からすると、例えばビールやチューハイなどのアルコール飲料の広告は未成年である10代に向けて発信するよりも20代、30代を中心とした購買層にリーチした方がより効果的であるといえます。
YouTube(というよりGoogle)はターゲットによって流す広告を変えておりその速度と精度が日に日に増しています。
例えば買いたい物や興味のある分野、住みたい場所についてその日ずっと調べているとその翌日にはそれに沿った動画広告が流れたりします(行動ターゲティング広告)。
住んでいる地域にターゲットを絞る広告もかなり増えており、地域ごとの高速道路規制のお知らせやパチンコ店オープンなどの広告が流れたりします。
誰でも比較的安価でテレビよりもターゲット層に効果的に訴求することができるので、企業は広告を出稿しやすい状況にあります。
参考【YouTubeの主な広告の種類】
インストリーム広告(スキップ可) | 動画再生中に流れるスキップ可能の動画広告。30秒以上(30秒未満の広告は最後まで)再生された場合またはユーザーがアクション(リンククリックなど)を起こした場合に課金。 |
---|---|
インストリーム広告(スキップ不可) | 動画再生中に流れるスキップ不可の15秒動画広告。1000回再生ごとに課金(インプレッション収益)。 |
TrueViewディスカバリー広告 | YouTubeサイトのトップページや動画再生ページ(PCは動画左上、モバイルは動画下)に表示される広告。ユーザーがクリックした場合に課金。 |
バンパー広告 | 動画再生中に流れるスキップ不可の6~7秒以下の動画広告。1000回再生ごとに課金(インプレッション収益)。 |
これからは広告もネットの時代?
すでに10代などの若者を中心にネット利用時間がテレビ視聴時間を上回っている事は紹介しましたが、40代以降の世代は現在でもテレビ中心の生活にあります。
購買力の高い世代を多く抱えているという意味ではまだまだテレビ優位であるともいえます。
しかし現在ネットを見て育った若者世代が年を重ねた時にテレビに移行するようになるかと言われると、甚だ疑問が残る所です。
2019年には逆転すると言われるテレビとネットの広告費。
テレビ1強の時代からテレビとネットの2強時代へと突入した事は間違いなさそうです。